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食事中に着物が汚れた!食べ物のシミの落とし方と予防策

大切な着物を着て食事をしている時、うっかり食べ物をこぼしてしまった経験はありませんか?着物はデリケートな素材が多く、シミがつくと落とすのが難しいこともあります。特に油や醤油、ワインなどのシミは、間違った対処をすると生地を傷める原因になることも。
最近では、着物を気軽に楽しむ人が増え、食事のシーンでも着物を着る機会が増加しており、食べこぼしによるシミのトラブルに悩む人も少なくありません。
この記事では、着物に食べ物のシミがついてしまった際の正しい対処法や、事前にできる予防策について詳しくご紹介します。
食べこぼしでシミを作らないための予防策
着物を着ての食事は、普段とは違った優雅な時間ですが、食べこぼしが気になるものです。事前にできる対策を押さえておけば、万が一のトラブルも防げます。
食事の際に気をつけるポイント
- ナプキンやハンカチを活用する
食事中は、膝の上や胸元にナプキンや大判のハンカチをかけることで、汚れが直接着物につくのを防げます。特に汁気の多い料理を食べる際には有効です。
- 姿勢に気をつける
着物は洋服よりも動きにくいため、前かがみになると袖や裾が汚れやすくなります。食事の際は背筋を伸ばし、口元まで器を持ち上げて食べるようにしましょう。
- 袖口をたくし上げる
長い袖は食器や料理に触れやすいため、食事前に帯締めやクリップで軽く固定しておくと汚れにくくなります。
着物を汚さないための便利アイテム
- 袖カバー(アームカバーのようなもの)
- 着物用エプロン(撥水加工があるものが◎)
- 防水スプレー(着物専用のものを使用)
これらのアイテムを活用すれば、着物を汚すリスクを大幅に減らせます。
着物に食べ物のシミがついたときの応急処置
もし食事中に着物にシミがついてしまったら、焦らず適切な処置をしましょう。間違った対応をすると、汚れが広がったり生地を傷めることもあります。
してはいけないNG対応
- ゴシゴシこする → 繊維の奥に汚れが入り込み、落としにくくなります。
- 水で無理に落とそうとする → 水が汚れを広げたり、かえってシミを定着させることがあります。
- ティッシュやハンカチで強く押さえる → 素材によっては繊維が毛羽立ち、シミが目立ってしまいます。
汚れの種類別・応急処置の方法
油汚れ(天ぷら・ドレッシングなど)
- 乾いたティッシュで軽く油分を吸い取る
- 上からベビーパウダーや片栗粉を振りかけて、油を吸収させる
- しばらく置いた後、やさしくブラシで払い落とす
醤油やソースなどの液体汚れ
- 乾いた布で軽く押さえ、水を含ませたガーゼでポンポンと叩く
- アルコールを含まないウェットティッシュで軽く拭く
ワインやコーヒーなどの色素汚れ
- シミが広がらないよう、すぐに乾いた布で吸い取る
- 重曹を水に溶かしたものを軽く含ませ、シミ部分をポンポンと叩く
- 無理に落とさず、できるだけ早く専門クリーニングへ相談
自宅でできる着物のシミ抜き方法
素材ごとに異なるケアのポイント
- 絹(シルク) → 水に弱いため、できるだけ専門店に相談
- 木綿 → 軽い汚れならぬるま湯で優しく洗える
- ポリエステル → 比較的洗いやすいが、強くこすらないことが大切
使ってはいけない洗剤・道具とは?
- 漂白剤(着物の色落ちの原因になる)
- 熱湯(繊維が傷み、縮みの原因になる)
- 硬いブラシ(生地の風合いを損ねる)
自宅での対応が難しい場合は、無理をせずプロに相談しましょう。
シミが落ちないときはプロに相談を!
クリーニングに出す前に確認すべきこと
どんな食べ物のシミか(油・醤油・ワインなど)
シミの種類によって、適切な処置方法が異なります。例えば、油汚れは吸収剤を使って油分を取り除く必要がありますが、醤油やワインのような液体汚れは水やアルコールを使って処置することが一般的です。シミの種類を伝えることで、最適な方法でシミ抜きを行ってもらえます。
シミがついたのは何時間前か
シミがついてからの時間も重要な情報です。新しいシミは比較的簡単に落とせることが多いですが、時間が経つとシミが繊維に染み込み、落としにくくなります。シミがついた時間を伝えることで、適切な処置を迅速に行ってもらえます。
すでに何か処置をしたか
自宅で行った応急処置も重要な情報です。例えば、ベビーパウダーや片栗粉を使って油分を吸収させた場合や、水で軽く拭いた場合など、どのような処置を行ったかを伝えることで、その後の処置を適切に調整できます。間違った処置をしてしまった場合でも、その情報を伝えることで、最善の方法を考えてくれます。
これらの情報を伝えることで、より適切なシミ抜きをしてもらえます。大切な着物を長く美しく保つために、正確な情報を提供することが重要です。
着物専門のシミ抜きサービスとは?
着物のシミ抜きは一般のクリーニング店では対応が難しいこともあるため、着物専門のサービスを利用するのがおすすめです。
専門技術と経験
着物はデリケートな素材で作られているため、シミ抜きには高度な技術と経験が必要です。専門の職人が手作業でシミを取り除き、生地へのダメージを最小限に抑えて美しく仕上げます。
幅広いシミに対応
着物専門のシミ抜きでは、油汚れ、醤油やワインなどの液体汚れ、古いシミや黄変(※)など、さまざまな種類のシミに対応しています。シミの原因を特定し、最適な方法で処置を行うため、一般のクリーニング店では落とせないシミもきれいにすることができます。
(※)黄変とは、着物の生地が時間とともに黄色く変色する現象です。主に光、湿気、汗などが原因で発生します。
特殊な加工方法
シミの種類や状態に応じて、特殊な加工方法が用いられます。例えば、油汚れには吸収剤を使って油分を取り除く方法、液体汚れには水やアルコールを使って処置する方法、古いシミや黄変には漂白や染色補正を行う方法などがあります。
またシミの原因は1つだとは限らないので、どのような加工をどのような順序でおこなうのかを長年の経験により判断します。
安心のサービス
多くの着物専門のシミ抜きでは、事前に見積もりを行い、料金や処置内容について納得してから作業を開始します。また、訪問サービスを利用できる店舗も多く、自宅から簡単に依頼できるのも魅力です。
【おすすめの着物メンテナンスサービス】
▶鈴花(すずはな)着物クリーニング
(公式サイト:https://www.suzuhana.co.jp/)
鈴花では、お預かりした着物を専門の職人が丁寧にシミ抜きを行い、生地へのダメージを最小限に抑えて美しく仕上げてくれます。
まとめ
着物を着ての食事は特別なひとときですが、食べこぼしのリスクもあります。事前にしっかり対策し、もしシミがついてしまった場合は、焦らず適切な処置をすることが大切です。
また、自己処理が難しい場合は、無理をせず専門のクリーニングに相談しましょう。大切な着物を長く美しく保つために、正しいお手入れを心がけてください。