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着物ってどうやって保管すればいいの?正しい保管方法

「お気に入りの着物を手に入れたけれど、なんとなく保管している」
「実家からたくさん譲り受けた着物、どうやって保管すべき?」
「着物の収納方法には、どんな選択肢があるの?」
そんな疑問を抱えている方は多いのではないでしょうか。大切な着物を長く美しく保つために、正しい保管の基本を改めて確認してみましょう。
1. 着物の保管・収納方法
大切な着物を次世代まで美しく受け継ぐためには、脱いだ直後の行動が非常に重要です。ここでは、着物を脱いでから収納するまでに欠かせない「4つのステップ」をご紹介します。この一手間を習慣化することで、次に着る時も気持ちよく袖を通すことができます。
陰干しして汗を飛ばす
着物を脱いだ直後は、体温や汗による湿気が残っています。すぐに畳まず、まずは着物専用のハンガーにかけて数時間〜一晩ほど「陰干し」を行い、水分をしっかり飛ばしましょう。この際、直射日光は色あせの原因になるため、必ず日の当たらない風通しの良い室内で行うのがポイントです。

着物に汚れやほつれがないか確認する
陰干し中や収納前には、必ず全体の状態をチェックしましょう。自分では気づかないうちに汚れやほつれが生じていることがあります。表地だけでなく「胴裏(裏地)」も併せて確認してください。
小さなシミでも、時間が経つほど落ちにくくなり、カビの原因にもつながります。
- 衿(えり):ファンデーションや皮脂汚れがつきやすい場所です。
- 袖口(そでぐち):皮脂汚れのほか、ドアノブなどに引っ掛けた破れやほつれがないかも確認しましょう。
- 裾(すそ):泥跳ねや埃が溜まりやすい部分です。
もし汚れを見つけたら、速やかにシミ抜きを依頼するか、プロに相談することをおすすめします。
たたんだ着物をたとう紙に入れる
着物がしっかり乾燥したら、シワにならないよう丁寧に畳んで「たとう紙」に包みます。
たとう紙は丈夫な和紙で作られており、着物を保護するだけでなく、空気中の湿気を吸い取ってくれる重要な役割を果たします。「1枚のたとう紙に1枚の着物」が基本です。1枚に複数詰め込むと、摩擦や重みでシワの原因になるため注意しましょう。
たとう紙ごとタンスに入れて保管
最後はいよいよ収納場所へ。
このとき、たとう紙の紐をきちんと結んでおくと、タンスの開け閉めや移動の際に中で着物がズレるのを防げます。次の項目で解説する「最適な環境」を意識して、優しく収めてください。
2. 着物の保管のポイント
「どこに、何に入れて保管するか」。この環境選びが、着物の寿命を大きく左右します。
保管場所
高温多湿の部屋は避けましょう。
特にお風呂場やトイレに隣接したクローゼット、結露しやすい外壁に面した押し入れなどは、保管場所として不適切です。なるべく風通しが良く、直射日光の当たらない、家の中でも「カラッとした場所」を選んでください。
たんす

着物を保管するには、吸湿性に優れた「桐ダンス」や「桐の衣装ケース」が最適です。
桐には、湿気が多い時には膨張して密閉性を高め、乾燥時には収縮して通気性を良くする「天然の調湿機能」があります。また、桐特有の成分には虫を寄せ付けない防虫効果もあるため、長期間の保管でも着物を健やかな状態に保ってくれます。
たとう紙

着物や帯は、必ず和紙製のたとう紙に包んで保管しましょう。たとう紙には、主に2つのメリットがあります。
- 防カビ性:和紙が湿気を吸収し、カビの発生を抑制します。
- 防シワ性:重ねて保管する際の摩擦を防ぎ、着物の形を整えます。
※仕立て上がりの着物には、型崩れ防止用の紙や厚紙が挟んである場合がありますが、これらは湿気を溜め込みやすいため、収納時には取り除いて処分しましょう。
3. 着物を保管・収納するときの注意点
「一度しまったから安心」ではありません。美しさを維持するために、以下の3つの注意点を守りましょう。
ずっと保管したままにしない
「開かずのタンス」は湿気の温床です。年に1〜2回、天気の良い乾燥した日にタンスを開けて空気を通したり、着物を外に出して「虫干し」をしたりするのがベストです。定期的に状態をチェックすることで、トラブルを未然に防げます。
たとう紙を定期的に交換する
湿気や埃から着物を守るたとう紙は「消耗品」です。長年使用していると和紙の吸湿力が落ち、茶色いシミ(酸化)が出てくることがあります。虫干しのついでにチェックし、3〜5年に一度を目安に新しいものへ交換しましょう。
収納に着物を詰め込まない
タンスやケースにギッシリ詰め込んでしまうと、空気の通り道がなくなります。また、重みで下層の着物に強い圧力がかかり、取れないシワがついてしまうことも。「収納スペースの8分目」を目安に、ゆとりを持って収納するのが理想的です。
4. まとめ

着物の保管で大切なのは、日頃のちょっとした気遣いです。
「脱いだら干す」「湿気を避ける」「定期的に空気を通す」。この基本を積み重ねることで、大切な着物をいつまでも美しく保つことができます。
もし、「自分でお手入れするのは自信がない」「落ちない汚れを見つけてしまった」というときは、プロの力を借りるのも賢い方法です。
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