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着物をよみがえらせる方法|大切な一着にもう一度命を

タンスに眠っているお祖母様やお母様に譲ってもらった着物。
シミがある、サイズが合わない、デザインが古い・・・などなど。いろいろな理由でもう着ることはないけど、捨てるにはもったいないし・・・どうすればいいの?
きものビギナーさんのお困りごとにお答えします。
<着物をよみがえらせよう>
「 ママ振」という言葉があるように、譲ってもらったものでも着物は自分サイズにそして自分好みに作り直すことができるんです。
もしお祖母様、お母様から頂いた大切な着物があるけど、何かしらの理由で着れないなと思っているのであれば、ぜひあなたピッタリの着物へとよみがえらせてみませんか?
そして、また次に着てくれる誰かへと引き継いであげてください。
あなたサイズの着物に作り変えるには
① 着物をほどいて反物に戻す。
② サイズを直しつつ仕立て直す
という作業を行います。
その過程で、洗って汚れを落としたり、シミを抜いたり、色を変えたり・・など職人さんの技術で古い着物を新しい着物のようによみがえらせます
また、譲り受けた着物のサイズより、あなたのサイズが大きい場合には反物に戻した後に折り目やヤケを直す作業が必要だったり、着物によっては生地が足りずに仕立て直すことができない場合もあります。
着物屋さんに相談すれば、仕立て直すことが可能かどうか、またどれくらいの費用がかかるか調べてくれますので、気軽に相談してみてください。
ここでは、着物をよみがえらせるための技術をいくつか紹介します。
◆ 洗い張り : 着物をほどき、反物の状態に戻してから水洗いを行う『洗い』と水により縮んだ生地の幅を整える『張り(湯のし)』の2つの工程を合わせて『洗い張り』といいます。一般的な汚れはこの洗い張りで落ちます。
◆ シミ抜き : 洗い張りで落ちない汚れやシミは、シミ抜きという作業をおこないます。シミの成分を判断し、そのシミに応じた薬剤を使い手作業でシミを落としていきます。時間がたって生地が黄色や茶色に変色してしまったものを戻すには高度な技術と時間が必要です。
◆ 染め直し : 日焼けによる色あせや広範囲な変色シミ、または元の色自体が自分の好みではない場合は着物自体を染め直す事ができます。着物の模様に合わせて新しく柄を使いする「柄足し(がらたし)」や柄がない地色を今より濃い色に染め直す「色掛け」があります。ただし、色掛けを行うと薄い色に戻すことはできませんので、どんな色にするかはよーく考えてくださいね。
あなたにピッタリの着物によみがえる事を待ってる着物たちがいるかもしれません。
もういちどタンスの中を覗いてみては如何でしょうか。