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七五三の父親の服装の選び方や着物を着る際の準備、注意点を解説

七五三は、お子さまの健やかな成長を祝い、家族で節目を迎える大切な行事です。当日の服装について、父親の立場では「何を着ればいいのか」「子どもや妻と同じように着物を着てみたいけれどどうすればいいか?」などと悩むこともあるでしょう。

最近では、記念写真をSNSに投稿することを前提に、写真映えを意識して家族全体の装いのバランスや格式を整えるご家庭が増えています。

本記事では、七五三における父親の服装選びのポイントや、着物を選んだ場合の準備・注意点についてわかりやすく解説します。

 


1. 七五三の父親の服装選びのポイント

服装を選ぶ際の基本は「主役であるお子さまを引き立てる」「夫婦で格や雰囲気を揃える」「カジュアルすぎる装いを避ける」「サイズの合った清潔感のあるものを選ぶ」などを意識するとよいでしょう。
七五三で父親が選ぶ服装には、主に以下の3つの選択肢があります。

 

・スーツ

最も一般的で無難なスタイルです。ネイビーやグレーなどのダークカラーのスーツに、白や淡い色のシャツ、落ち着いたトーンのネクタイを合わせるのが基本。スリーピーススーツを選べばよりフォーマルな印象に。普段のビジネススーツでも、上質なネクタイやポケットチーフを取り入れることで特別感を演出できます。

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・略礼服(礼装スーツ)

格式を重視する家庭では、略礼装に準じたスタイルも選択肢になります。母親が格の高い和装(色留袖など)を着る場合は、バランスを取る意味でも適しています。黒い無地のスーツに白いシャツ、白もしくは淡い色の光沢感のあるネクタイを合わせるとよいでしょう。

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・着物

七五三では、昔からお子さまや母親の和装姿はよく見受けられましたが、最近では父親も和装を取り入れる家庭が増えてきています。特に写真撮影を重視する場合や、伝統的な雰囲気を大切にしたい方にとっては、家族全員が和装をすることで統一感が出て、より美しい仕上がりになります。羽織袴までは必要なくとも、無地や縞の着物+羽織のコーディネートで十分格式ある装いになります。
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2. 七五三で父親が着物を着る際の準備

和装を選ぶ場合は、洋装に比べて少し準備が必要です。まず、着物を持っていない場合は購入かレンタルを選ぶことになります。そして、当日の着付けをどうするかも早めに決めておきましょう。着付けはプロにお願いすると安心ですが、男性の着付けは比較的シンプルなため、自分で覚えるのも一つの方法です。YouTubeで学んだり、必要なときだけ受けられる単発のリモートレッスンを活用するのもおすすめです。

 

・レンタル

1日だけの着用であれば、着物レンタルショップを活用するのが現実的です。店頭でスタッフと相談しながら実際に選ぶことが可能で、試着や当日の着付け予約もその場でできるので初心者には非常に安心です。着物を所有・保管する必要がなく、購入に比べて出費も抑えられます。

最近ではWEBで注文し、必要なもの一式を自宅まで配送してくれるサービスもあり、忙しい方にも便利です。ただし当日の着付けはご自身で手配する必要があります。


・購入(リサイクル品)

七五三を機に着物一式を揃えてみたいという方は、まずはお値打ちなリサイクル品からスタートするのもおすすめです。中古ではありますが購入すれば自分のものとなり、今後の着用の楽しみが広がります。リサイクル品は仕立て済みの着物が大半なので、仕立てる手間はかからず、サイズや好みさえ合えば試着の上、当日持ち帰ることができます。


・購入(新品お誂え)

本格的に着物を楽しみたい方には、お誂え(オーダーメイド)という選択肢も。まずは信頼できる呉服店を見つけて相談してみてください。用途や好み、予算などをスタッフに伝えればそれに見合った着物を提案してくれます。気に入る着物に出会えたら、着装や採寸を行い、仕立てを経て完成となります。仕立てには数週間~数か月かかることもあるため、早めの準備が大切です。

 

※着物着用に最低限必要なのは以下のアイテムです

・着物

・羽織

・長襦袢

・角帯

・足袋

・草履

・腰ひも



3. 七五三で父親が着物を着る際の注意点

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・家族全体のバランスを意識

「お子さまが主役」であることを忘れず、父親は子供を引き立てる装いを意識しましょう。その上で、家族写真を撮った時にどうなるか、どうなりたいのかを想像しながら、家族で事前に服装の方向性をすり合わせておくと安心です。


・夫婦で着物の格を合わせる

両親の着物は、主役であるお子さまよりも格を下げたものを選ぶのが基本です。ただし、着物だけの着流しスタイルはカジュアルすぎる印象になるため、避けたほうがよいでしょう。

母親と父親の着物の格が合っていると、全体の印象が整います。母親が色留袖であれば父親は紋のない羽織袴、訪問着であればお召の着物に羽織、色無地であれば紬の着物に羽織など。父親は黒紋付き袴のような第一礼装は避け、控えめな装いが理想です。


・着崩れ対策

着物初心者にとって着崩れは不安ポイントです。七五三当日、小さなお子さまを連れての移動は意外とハードで、参拝や、写真撮影、お食事に加え、時にはお子さまを抱っこする場面もあるかもしれません。そのため、帯や羽織がずれないよう、少し意識しておくと安心です。事前に長時間着る予定であることを着付け師に伝えておくと、崩れにくい工夫をしてもらえるでしょう。


・足元に注意

草履は慣れていないと疲れやすくなることもあるので、無理のないスケジュールを組みましょう。また、草履で車を運転するのは大変危険ですので、必ずスニーカーなどの脱げにくい靴に履き替えましょう。


・天候への対応

雨や風の日には着物が濡れる、裾が汚れるなどのトラブルも考えられます。和装用コート、替えの足袋を準備しておくと安心です。正絹の着物が汚れたら専門のクリーニング店や購入した呉服店にご相談ください。店舗によっては、購入した際に撥水加工する場合も多く(要確認)簡単なメンテナンスだけで済む場合もあります。



4. まとめ

七五三は、家族にとって一生の思い出となる大切な行事です。主役であるお子さまや、華やかな和装をすることが多い母親に比べて、父親の服装はつい後回しになりがちです。しかし、事前にしっかり準備をしておくことで、父親にとっても心に残る思い出深い一日になります。父親も和装を取り入れることで、家族写真がより華やかになり、日本の伝統文化の魅力をお子さまに伝えることにもつながります。

家族で迎える大切な節目を、ふさわしい装いで心からお祝いしましょう。

 

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