結婚式にお呼ばれした際に着る着物の種類

結婚式にお呼ばれした際に着る着物には、留袖・訪問着・振袖などさまざまな種類があります。ただし、立場などによって着るべき着物が決まっている点には注意が必要です。

着物には格があり、新郎新婦に近い親族ほど格が高い着物を着るのが通例です。友人や同僚などのゲストとしてお呼ばれした際には、親族よりも格が下の着物を着るようにしましょう。上記の着物を格の高い順に並べると、黒留袖・色留袖・振袖・訪問着・色無地・付け下げの順です。

着物の格は、紋と呼ばれる家族などを表す印の有無によっても異なります。紋には格が高い順に五つ紋・三つ紋・一つ紋・紋無しの4つがあり、友人としてお呼ばれした結婚式では、少なくとも五つ紋の着物を着ることはほぼありません。

友人の結婚式で着物を着る際の選び方

友人の結婚式にお呼ばれした際の着物の選び方を解説します。

20代の独身女性なら振袖がおすすめ

未婚女性には振袖がおすすめです。「振袖は成人式で着るもの」というイメージの人も多いものの、振袖は未婚女性の正礼装なので、結婚式などのフォーマルな場で着る着物にも適しています。

振袖は、袖の長さによって大振袖・中振袖・小振袖の3種類があります。それぞれの振袖の袖の長さの目安は以下のとおりです。

大振袖・中振袖・小振袖の順に格が高く、最上位の大振袖は花嫁が和装のときに着用するケースもあります。友人としてゲストにお呼ばれした結婚式では、中振袖を選ぶのがマナーです。大振袖にすると花嫁と格が同じになってしまい違和感があるため注意してください。

振袖には華やかな柄・色のものも多い傾向がありますが、「花嫁よりも目立ってはいけない」という原則には注意しましょう。友人としてお呼ばれして結婚式に出席する際は、華やかさや派手さよりも、上品さを意識するのがポイントです。

なお、振袖は未婚女性しか着られませんが、年齢に上限は決まっていません。ただ、落ち着いた雰囲気の着物を好む30代女性は、次に紹介する訪問着などに移行する人が多い傾向があります。

30代以降の未婚女性や既婚女性には訪問着・付け下げ・色無地がおすすめ

30代以降の未婚女性や既婚女性には、訪問着・付け下げ・色無地などの着物がおすすめです。振袖と比べると落ち着いた柄・色の着物が多く、大人な気品を演出できます。既婚・未婚問わず着られるのもポイントです。

訪問着は、模様が縫い目をまたいで続いているため、華やかさもあります。三つ紋であれば準礼装の装いとなるため近縁の親族にも適していますが、友人・同僚としてお呼ばれしている場合は、無紋の訪問着で問題ないでしょう。

付け下げや色無地は訪問着のように模様が繋がっておらず、さらに控えめな柄のものが多いのが特徴です。格の高さは訪問着・色無地・付け下げの順で、どれも結婚式に着て行けます。おとなしめの柄・色の着物を選びたいときは、付け下げや色無地も候補に加えてみてください。

友人の結婚式にふさわしい着物の色や柄

友人の結婚式にふさわしい着物の色や柄を紹介します。

友人の結婚式にふさわしい着物の色

友人の結婚式では、花嫁を引き立てるのが大切です。とくに振袖を着て行く場合は華やかな色のものを選んでしまいがちですが、「花嫁より目立たない」「花嫁と被らない」という点をしっかり意識しましょう。

とくに花嫁衣裳に使われることが多い、白・赤・黒・金を地色とした着物は避けるのが無難です。可能であれば事前に花嫁に衣裳の色を確認しておくと安心です。

着物の柄

友人の結婚式で着る着物の柄は、縁起のよいものや高貴で格式の高いもの、季節感のあるものなどが適しています。たとえば、以下のような柄は、結婚式に着て行く着物の柄にぴったりです。

• 吉祥文様：鶴・亀・松竹梅・鴛鴦・貝桶・鳳凰・束ね熨斗・末広がりの扇など
• 有職文様：七宝・花菱・亀甲文など
• 正倉院文様：宝相華文や花喰鳥文など
• 花の文様：牡丹や菊など

長寿や夫婦円満などを意味する吉祥文様や、同じく高貴で伝統的な文様である有職文様などの柄の着物は、結婚式に出席する際によく着られています。

友人の結婚式で着物を着る際の注意点

友人の結婚式で着物を着る際の注意点を解説します。

避けるべき着物の柄

友人の結婚式に出席する際に着ることが多い訪問着・振袖には、結婚式にはふさわしくない柄のものもあるため要注意です。新郎新婦やその親族、出席しているゲストに違和感をもたれないよう気をつけましょう。

以下のような柄が単体で描かれている訪問着・振袖は、結婚式には着ていかないのが無難です。

• 桜：散ることをイメージさせてしまう
• 椿：花が丸ごと落ちる様子をイメージさせてしまう
• 下り藤：「下がる」というマイナスイメージがある
• 梅：散る・こぼれるといったことを連想させる
• 蝶：浮気などを連想させる

なお、上記の柄が描かれていても、ほかの柄と組み合わせたものであれば問題ありません。ただし、メインの柄として大々的に描かれている訪問着・振袖は避けたほうがよいでしょう。

小物や髪型の注意点

友人の結婚式に着て行く着物には、以下のような小物を合わせます。

• 長襦袢：着物の下に着るもの
• 半衿：長襦袢の衿につけるもの
• 帯揚げ：帯枕を包み、帯の形を整えるもの
• 帯締め：帯が崩れないように固定するもの
• 帯留め：帯締めと合わせてつける飾り

結婚式では、どの小物もフォーマルな場に適した白をベースにするのが基本です。振袖を着て行く場合は小物もある程度色鮮やかなものを合わせられますが、派手すぎるものは避けましょう。

髪型は、しっかり整えられていれば指定の形はありません。ただし、よく目立つ大きな髪飾りはやや違和感を持たれる場合があります。また、花嫁は生花を使った髪飾りを使う場合があるため、ゲストは被らないように使わないのが一般的です。

まとめ

本記事では、友人の結婚式にお呼ばれした際の、着物の選び方やふさわしい柄・色などについて解説しました。20代未婚の人は振袖を、既婚者や30代以降の人は訪問着などを選ぶとよいでしょう。華やかすぎない落ち着いた柄・色の着物を選ぶと、花嫁を引き立てられます。

また、友人の結婚式に着て行く着物には、ふさわしくない柄がある点には要注意です。縁起がよく高貴な吉祥文様や有職文様などの柄が描かれた着物を準備しておきましょう。

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