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着物の時のボブはそのままでもOK?マナーやヘアセットのコツを解説

「着物」を着る機会は、結婚式や七五三、入学式・卒業式など、フォーマルな場が多いですよね。

そんな時、ボブの長さだと「髪はそのままでも良いのかしら?」「まとめないとマナー違反になる?」と、ヘアスタイルに悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。

この記事では、「着物の時のボブはそのままでも大丈夫?」という疑問にお答えしつつ、ボブヘアの基本的なマナーから、上品なヘアセットのコツまで、具体的にご紹介していきます。

着物のボブはそのままでもOK?マナーの基本

「着物を着るなら、髪はまとめるのが常識」そう思い込んでいる方も多いのではないでしょうか。しかし、現代において、ボブをそのまま下ろしていることが、ただちにマナー違反と見なされるわけではありません。

重要なのは、着物の格やTPOを理解し、その上でボブの持つ短さを活かしつつ、品のある着物姿を演出するための基本的な考え方を押さえておくことです。

なぜ着物の時はまとめ髪が良いとされるのか?

着物姿では、うなじを見せることで、女性らしい美しさや奥ゆかしさが際立つとされてきました。まとめ髪は顔周りや襟元をすっきりさせ、清潔感と控えめな上品さを強調する効果があります。

このため、伝統的に着物にはまとめ髪が良いとされ、特に格式高い場では礼儀を示すものと考えられてきました。

訪問着・色留袖など着物の種類別に考える「ふさわしい髪型」の目安

着物には「格」があり、その格に応じたヘアスタイルを選ぶのがマナーの基本です。

着物の種類 シーンの格 ボブのヘアセットの目安
色留袖・訪問着 高い
(フォーマル)
そのまま下ろすより、ハーフアップなどで「整えた感」を出すことが望ましい。
付け下げ・色無地 中程度
(セミフォーマル)
毛先を丁寧にセットすれば、そのままのボブも許容範囲。ハーフアップなどでより上品に。
小紋・紬 低い
(カジュアル)
そのままのボブやシンプルなアレンジで、着物とのバランスを楽しむことができる。

格式高い着物を着る際は、そのままのボブでも、毛先をしっかり内巻きにしたり、サイドの髪を耳にかけて整えるなどの工夫が、周囲への配慮となります。

ボブをそのまま活かす際のマナー違反にならないためのポイント

着物姿でボブをそのまま下ろしている場合、最も注意すべき点は「だらしなく見えないこと」です。以下のポイントを押さえることで、ボブでもマナーにかなった上品な着物姿を演出できます。

ツヤ感と清潔感

着物姿にふさわしいのは、控えめながらも美しい艶やかさです。パサつきのあるそのままのボブでは、着物の持つ品の良さが半減してしまいます。

  • ツヤ出し:ヘアオイルやワックスで表面のツヤを出します。特に後頭部から毛先にかけての輝きは、後ろ姿の印象を大きく左右します。
  • 毛先のまとまり:毛先が外ハネしたり、不揃いだったりするとカジュアルな印象が強くなります。コテやアイロンで丁寧に内巻きにし、丸みのある落ち着いたシルエットに整えることが上品に見せるポイントです。
  • 顔周りの処理:前髪や顔周りの毛が顔にかかりすぎたりすると、だらしなく見えます。前髪はサイドに流す、ワックスでタイトに固定するなど、顔の表情がはっきりと見えるように配慮しましょう。

短い髪でも「きちんと感」を出すための細かな工夫

ボブは、動くたびに毛先がはねやすく、崩れやすい傾向があります。

襟足の乱れやすい部分だけ、目立たない小さなピンで内側に軽く固定する。これで首周りがすっきりし、着物の襟元が美しく見えます。
また、左右どちらかの耳に髪をかけるだけでも、一気に顔周りがすっきりし、着物姿が引き締まります。耳にかけた部分には、控えめな飾り(コームやバレッタ)を添えるとより上品になります。

「そのまま」でも美しく!ボブヘアの着物アレンジ術

ボブの長さを最大限に活かしつつ、着物にふさわしい「品」をプラスする簡単なセルフアレンジ術を紹介します。

崩れ知らずのボブを作るベースの巻き方・毛先のセット術

着物に合うボブのシルエットは、そのままのラフさよりも、ふんわりとした丸みや、タイトなまとまりを意識することがポイントです。

  • トップのボリューム:トップの髪をアイロンで軽く巻き、ふんわりと立ち上がりを作ります。着物姿は縦のラインが強調されるため、頭頂部に少し高さを出すとバランスが良くなります。
  • 内巻きセット:毛先全体をアイロンでゆるやかな内巻きに。このとき、毛先だけでなく中間部分にも熱を通し、髪にツヤとまとまりを仕込むのがポイントです。
  • スタイリング剤:スプレーは全体ではなく、毛先や崩したくない部分にごく少量使います。ワックスは手のひらに薄く伸ばし、内側から揉み込むようにしてシルエットをキープします。

着物とボブのバランスの取り方

着物の襟元とボブの毛先のラインは、着姿全体の印象を決定づけます。

  • 襟元との調和:ボブの毛先と着物の襟(衣紋)がぶつかりすぎないよう、髪の長さを調整するか、毛先をコンパクトにまとめます。毛先が襟にかかる場合は、内巻きにして動きを抑えます。
  • サイドの引き締め:顔周りの髪をタイトに抑えると、着物姿の持つ凛とした雰囲気が強調されます。耳から後ろの髪は、そのままの丸いシルエットを保ちつつ、耳周りはすっきりさせると、全体のバランスがよくなります。

ハーフアップやサイド寄せなど、マナーに沿ったアレンジ例

ボブの長さを活かした、手軽でマナーにかなうアレンジは以下の通りです。

  • ねじりハーフアップ:耳上の髪を左右それぞれ少しずつ取り、後ろに向かって軽くねじり、中央で一つにまとめます。毛先は内巻きで上品に整えます。
  • サイド寄せアレンジ:全体の髪をゆるく巻いた後、着物の合わせ(右前)に合わせて片方のサイドに寄せて固定します。もう片方のサイドは耳にかけるか、そのままタイトに下ろし、メリハリをつけるとこなれた印象に。

着物の格を上げる上品なヘアアクセサリーの選び方

ボブをそのまま下ろすスタイルでも、着物にふさわしいヘアアクセサリーを添えるだけで、一気にフォーマルな雰囲気を加えることができます。

着物のシーン別NGな飾りとOKな飾り

ヘアアクセサリーを選ぶ際は、着物を着る「場所」と「目的」を考慮することが重要です。

シーン OKな飾り(例) NGな飾り(例)
フォーマル べっ甲・象牙(または模造品)のバチ型かんざし、パールやラインストーンのコームなど、素材に品があるもの。 大ぶりの生花や、極端にカジュアルな素材(プラスチック製など)、キャラクターもの。
カジュアル 小さな玉かんざしや、着物の柄と同系色の小さな布製クリップ。 華やかすぎるティアラや、垂れ下がりの大きな飾り。

ボブヘアの場合、大ぶりな飾りは髪が隠れてしまい、バランスが悪くなります。ボブを活かすためにも、装飾は控えめなものを選び、着物の柄を引き立てる脇役として使用するのが上品です。

ボブヘアでもつけやすいヘアアクセサリー

ボブの毛量でも安定して付けられる飾りとして、コームやバレッタがおすすめです。
髪の長さに合わせて、縦幅よりも横幅が短い、コンパクトなものを選ぶと失敗がありません。

着物の襟元から少し離れた、耳の上や後頭部の低い位置など、さりげなく光が当たる場所につけると上品です。ハーフアップにした結び目などに添えると、華やかさと安定感が増します。

髪飾りは着物の色柄に合わせるべき?「品」を意識したコーディネート

着物と飾りの色合わせは、全体の印象を上品にまとめるために重要な要素です。

  • 同系色・統一色を選ぶ:着物や帯に使われている色の中から、地味すぎず派手すぎない一色を選び、に合わせた飾りを選ぶと、全体の統一感が出て上品にまとまります。帯揚げや帯締めといった「小物」の色と合わせると、一気に上級者なコーディネートになります。
  • 素材の格を合わせる:着物が正絹などの高級な素材であれば、飾りの素材も品のあるもの(本べっ甲、本真珠、良質な蒔絵など)を選ぶよう意識します。ボブをそのまま活かす分、小物の質にこだわることで、着物姿全体の格が上がります。

まとめ

着物を着る際ののボブは、そのままでも決してマナー違反ではありません。むしろ、きちんと整えられたボブは、現代的で上品な着物スタイルとして受け入れられています。

ボブをそのまま下ろす場合でも、ツヤ・まとまり・清潔感の3点を徹底し、必要に応じて控えめなハーフアップなどのアレンジと、ヘアアクセサリーを組み合わせることが、マナーを守りつつ、美しく見せるコツです。

着物販売・レンタル店の「鈴花」では、最新の着物アレンジや、格式高い場でも安心して着用できる着物や小物のコーディネート提案を行っています。素敵な着物姿で、大切な日を自信を持って迎えたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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ライター紹介

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濵田唯

きものブランド「キモノイキモノ展 」スタイリストの濵田唯です。
季節に合わせたおしゃれなコーデを提案♪和服で自分らしさを楽しむヒントや、日常に取り入れるアイデアをお届けします!

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