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【きもの文様シリーズ】猫文

様々な着物の文様を求めて走り回っている「きもの文様 千文家」山下啓介です。
私が出会った文様と、関連する豆知識をご紹介します。

今日のきもの文様は、猫文(ねこもん)

今日のきもの文様は、猫文(ねこもん)です。

猫文(ねこもん)

 

日本では猫の着物柄が意外と少ないですが、中国では「猫」の発音が「おいぼれ」を意味する「耄」(ぼう)と同じ発音から猫の柄は長寿の吉祥文であるといいます。
蝶や牡丹と一緒に組み合わされることが多いようです。

日本に家猫が渡来したのは、奈良時代の初期に中国から仏教の経典を運ぶときに、鼠の害を防ぐために船に猫を乗せたのが最初だと言われています。
縄文時代の地層からも猫の骨が出土していますが、それは野生の猫と考えられています。

犬に比べても猫が文様になることは少なかったようです。

江戸時代の浮世絵版画に見られる「猫が和服をまとって行楽に興じる絵」などを元に、羽織裏などに模写されたり、明治・大正時代にかけて着物の意匠も身近なものを文様化するようになったことで、猫文も見られるようになってきました。

金目黒猫は商売繁盛、お金を呼ぶといいますね。

猫の人力車

猫の人力車

 

猫は他の子猫も一緒に育てる慈愛をもつ動物です。

やがて成長した子供も、親の様に功徳を積む願いが…

(人力車は明治2年に発明され当時東京府下で開業したのに始まる、車夫がひいて走る1人もしくは2人乗りの二輪車のこと。)

招き猫

招き猫

 

右手で招くのは『金運を招き』、左手で招くのは『人を招く』と言います。

両手招きは両方を招くとも言われますが、お手上げと言って嫌う人もあるそうです。

黒い招き猫は『魔を除ける』、赤い招き猫は『病を除ける』と言われています。

猫の瞳

猫の瞳

 

古代エジプトは猫を神として崇拝していました。

猫の瞳の鋭敏な変化は、太陽の回転に従うものであり、闇の中でものを見ることができるのは夜に太陽が猫の目を通して下界を見るため、と考えられていたようです。

猫の頭を持つ女神バステトは恵み豊かな太陽の熱を神格化したもの。

夜になって眠り込んだ太陽を蛇どもから守るため、寝ずの番をしているといいます。

また猫には『九生』あると言う言い回しがあります。

古代エジプトでは、九つの魂を持ち九度生まれ変わるとされていました。

猫の魚辞退(ねこのうおじたい)

猫の魚辞退(ねこのうおじたい)

 

猫の大好物と言えば魚。

その大好物の魚を猫が辞退したところで、そのような我慢は到底長く長続きしない、また望んでいるのにやせ我慢して断る、という意味だそう。

猫の魚辞退って、ことわざがあるって初めて知りました…

「ことわざ」って簡潔で覚えやすく、真実を鋭く言い当ててますよね〜。

意味を聴くと思わずウンウンってなります。

ではでは、本日も最後まで読んで頂きありがとうございます。

記事提供:きもの文様 千文家_山下啓介
https://ameblo.jp/bonbonkeitan/